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おもてなし研究講座「お醤油づくり」レポート

2024年10月27日(日)に「伝統の味でおもてなし!輪島・谷川醸造のお醤油づくり講座」を開催しました。

大正時代から輪島で醤油や味噌を販売する谷川醸造さん。
谷川醸造さんのお醤油は、約100年という歳月の間、地元である輪島の人々にはもちろん、今では全国の方々に親しまれています。 能登半島地震で蔵は全壊してしまいましたが、クラウドファンディングや同業者の応援もあり再建をめざして頑張っています。

今回はそんな谷川醸造さんに、和食の基本であるお醤油やその作り方を教えていただき、参加者のみなさんにはじっさいにお醤油を仕込んでいただきました。

まずは、自己紹介からスタート。
谷川夫妻のゆる〜いトークと絶妙な掛け合いで、会場は一気に和やかな雰囲気に。

そして、資料を見ながら「お醤油」の基礎知識について教えていただきました。

醤油にはどんな種類があって、どんな違いがあるのか?
そもそも原材料はどんなもので、どうやって作られるのか?

ほぼ毎日のように口にするお醤油だけど、じつは知っているようで知らないことばかりでした。

そして、さっそくお醤油づくりがスタート!

これは蒸した大豆と炒った小麦を混ぜ合わせて、種麹(麹菌)を加えた「醤油麹(しょうゆこうじ)」。
これがお醤油になるの…?と少し不安になるくらいの不思議な香り。

まずは、瓶の中に水を入れてお塩を溶かします。
今回は珠洲のお塩をご用意いただきました。



つくった塩水の中に、原材料の醤油麹を入れてよく混ぜ合わせます。
この混ぜ合わせたものが「もろみ(諸味)」というもので、お醤油の素となるものです。

このもろみの中で、麹菌・酵母・乳酸菌が働いて、発酵してお醤油になっていくんだとか。

大豆のタンパク質は麹菌によって分解され、美味しさのもととなるアミノ酸に変化。そして、小麦のでんぷんはブドウ糖に変わり、甘味とコクが生まれます。食塩は発酵菌をゆるやかに働かせる役割をしているそうです。


発酵が進んで熟成したもろみを搾り取るとお醤油が完成ということなので、お醤油になるのは最短でも仕込みをしてから1年後!!しかも、今回作ったもろみからできあがるお醤油の量は、この瓶の1/3程度なんだとか…!

お醤油をもっと大切に使おうと感じました。

そして、谷川さんが事前に仕込んだ「1年半熟成のもろみ」と「6年熟成のもろみ」もご紹介。
見た目の変化をはじめ、香りや味のちがいを比較しました。


1年半熟成のもろみから搾り取ったお醤油は、塩の角が立っていて、キリッとした風味。まぐろなどの赤身に合いそう味わいでした。
6年熟成の方は逆に塩の角が取れて、コクがあって丸みのあるやさしい味わい。こちらは白身魚が合いそうでした。

熟成期間によって味や香りが変化していくので、自分好みの味わいになるまで「育てる」ことが大切なんですね。


もろみの管理方法をはじめ、加熱処理の注意事項、もろみの搾り方などをわかりやすく教えていただきました。

搾りかすとなったもろみの活用方法もレクチャーしていただきました。
余ったもろみの搾りかすにお肉やお魚を漬け込むと、肉質がやわらなくなって美味しいそうです。
きゅうりにつけたり、マヨネーズ和えにするのもオススメなんだとか。

ワークショップ終了時には、谷川醸造さんから参加者のみなさんにプレゼントが!
参加者のみなさんが「かわいい〜」と大絶賛のサクラ醤油のミニボトル。


参加者のみなさんからたくさんの質問もあり、お醤油について深く学べた時間となりました。

今回仕込んだお醤油をおもてなし時の料理や食卓に活用していただくのはもちろん、地元の醤油蔵の商品を大切な方への贈り物にしたりと、お醤油の文化をおもてなしに活かしていただけたら嬉しいです。

谷川醸造さん、参加者のみなさま、どうもありがとうございました!

今日仕込んだ醤油が美味しくできあがりますように。